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独立美術協会を軸に穏やかな光の中にある風景や人物を 中心に制作している大場再生さん。制作にまつわる興味< 深いお話をうかがいました。

プロフィール

1952年富山県生まれ。
多摩美術大学グラフィックデザイン専攻卒業。
文化庁派遣芸術家在外研修(イギリス)、現在独立美術協会会員

2008年6月29日より個展

個展開催にあたって

このたびは小生の個展においでいただきましてありがとうございます。
今回は、人物・風景・花をテーマに、油彩・ドローイングによる15点の作品を展示させていただきました。皆様にご覧いただけることをたいへん嬉しく感じております。
また、この機会をくださったARTBOX GALLERY様に感謝しております。

光がもたらすもの

風景でも人物でも、光が映し出す世界は私をうっとりとさせます。揺れ動く光の中にいる人物はそれだけで美しいし、光の移り変わりや空気の流れるさまは、そこにいる人間の存在そのものの儚さや心の揺れと重なります。さまざまに揺れ動く外の風景が、不安や希望を併せ持つ人間の心の内の風景を映し出し、ふたつの世界が一体となって「永遠」を感じさせます。そのような美しい光景そのもの、その感動そのものをダイレクトに表現することが私の喜びです。

影響を受けた画家たち

私は、ダ・ヴィンチ、レンブラント、ベラスケス、マネ、ドガ、ロートレック、ピカソ、バルティス、ホッパーがとりわけ好きです。これらの画家たちの神秘性に富み、人間の複雑な心理や人生の深さを内包した人物に、強く惹かれています。また、ターナーをはじめとする印象派の画家たちの風景画にも圧倒されています。数々の作品の素晴らしさに出会うことにより、私自身も風景画を描く楽しさを再発見しました。

今後の展望

結局、風景も人物も超自然(あるいは神というべきか)が生み出した“神秘”であり“神話”だと思っています。私はその神秘さや不思議さ、そしてそれを描く私自身が感じている幸福感や人間賛歌を、写実的な描法で、現実的な世界の中に表現していきたいと思っています。当たり前のように見える描法で、当たり前のように見える空間を描くのであっても、それが大場再生という「共鳴箱」を通して描かれるとき、“うっとりするような美しさ”が現れてくれることを心より願っています。

 


ピカソのいた丘
光と影のコントラストが美しく、木陰に佇む少年がピカソの少年時代を連想させ、ほんの少しのユーモアを感じる作品です。

九月のダリア
まだ夏の光が残る強い陽射しを一身に浴びて咲き誇るダリアがとても印象的です。

丘の上のベンチ
夏の光が燦々と照る中、ベンチに座る女性。光と影の中に女性のワインレッドのシャツが絶妙に効いていて、目を引きます。

   

光の中にある人物や風景の美しさ、またその場の空気を一瞬で感じられる 点が先生の作品の魅力であり、今回、「光」を先生自身がどのように捉え ているかを知ることで、より一層先生の作品の魅力を納得して感じることが できました。

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