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2007年第17回ART BOX大賞展において受賞したアーティスト3名(グランプリなし・準グランプリ3名)の展覧会を開催しております。準グランプリに輝いた笠原久央さんに作品や今後の展望についてお聞きしました。

プロフィール
1946年 群馬県館林市に生まれる。1967年〜 長澤節ファッション研究所直系アトリエにてファッションイラストを学ぶ。1970年〜講談社フェーマススクールズにて絵画修学、佐々木豊に薫陶を受ける。1976年〜わたなべしげるに師事。1977年〜 一線展出品 新人賞(78年) 一線美術賞受賞(92年) その他受賞多数 。2001年 一線展にて委員賞受賞(03年、04年共に受賞)2006年 一線展にて損保ジャパン美術財団奨励賞受賞。2007年 第17回 ART BOX大賞展 準グランプリ受賞。
個展:マルゼンビル落成記念、軽井沢アールモナリサ企画、チャトリングアイふれあいホール、アクシスギャラリー、ギャラリー恵風、館林三越、太田市ナカムラヤ画廊、ギャラリーアゼリア、他グループ展多数
現在:一線美術会委員・日本美術家連盟会員
2008.1/13よりART BOX GALLERYにて個展
ARTBOX大賞展 準グランプリ受賞にあたって

白菜の特異な、造形美に触発されて生まれた「白菜と宇宙の神秘」シリーズも10年の節目を過ぎました。
拡大する宇宙のように追及する課題は永遠であり終わりはありませんが、白菜シリーズ10年の節目としてチャレンジした大賞展での受賞の知らせは、これからの私の創作活動に大きな刺激と希望をもたらしました。
追究姿勢と方向性を肯定していただけたとの自信を持ちつつ、更なる研鑽を求められているとの認識を胸に、銀河中心を見定めるための生涯研究の再スタート点と位 置付けたいと思います。
ART BOX大賞展に応募した理由をお聞かせください。
過去個展を9回実施してきましたが、「10回目の記念すべき個展は銀座で」との思いで調査していた矢先にART BOX大賞展の存在を知りました。
テーマも「存在」であり、私が追求してきたテーマとの一貫性を感じたのが応募のきっかけでした。また、銀座での個展がギャラリー企画で実現するかも知れないとの可能性を信じてのチャレンジでありました。
自分が追求してきた仕事の確認検証の意味合いも強く、評価結果が楽しみでした。 
作品制作のテーマや制作意図をお聞かせください。
この世に存在する万物には宇宙の摂理が働いています。
ビッグバーンにより飛散した元素が再び結合凝縮し、宇宙の片隅に奇跡の星「地球」が誕生しました。更に偶然が集積して生命体が存在した不思議に驚きと感動を覚えます。
生命体の触覚を思わせる特異な葉脈を持つ白菜に私は宇宙の造形美を見ました。
あたかも触覚の先端から宇宙のエネルギーを吸い寄せ、内部から固まり充実成長する白菜の存在は「宇宙の神秘」の象徴として私の制作意欲をかきたてるのです。
これからの展望をお聞かせください。
今は未だ無の状態であり、塗りこめられた下地の中から宇宙の星の如く生まれてくる兆候を敏感に捉え、きらめきを持つ主題に発展させたいと念じています。
作品は描くのでなく生まれるという印象を大切にしたいと思っています。従って、主題を描く前に周辺の氣を表現することに集中しています。周辺が出来れば主題は自ずと決まるのです。白菜の葉脈の不思議な形態は触覚的であると同時に生命体の血管やリンパ腺とも繋がる物であると感じます。
2005年に制作した「葉脈からの幻想」や2006年の「生命球」で葉脈と人体の組み合わせに新たな手ごたえを感じており、発展を期待しているところです。
一方、今回の受賞作「星湖」の如く、宇宙の誕生そのものを表現する方向性にも充分な可能性を感じております。
ART BOX大賞展について
ART BOX大賞展は、新人アーティストの登竜門として意欲的なアーティストのサポートを目的とする公募展です。今回は、第17回の同展にて準グランプリに輝いた川部律子さんの受賞を記念した企画展です。
次回 は'08.6.30応募締切
※月刊ギャラリーに紹介されました。
拡大する宇宙 \840,000-
色鮮やかな白菜が放出されるように描かれており、
白菜からはエネルギーが飛び散るようで、ダイナミックな作品になっております。

深海魚 \268,000-
白菜が宇宙を泳ぐ魚のようです。その姿は威風堂々としており、宇宙の中に存在してもひけをとらない雄大さを感じます。
誕生 \10,5000-
展示作品では唯一の石榴をモチーフにした作品です。生命体の欠片が石榴の殻を破り宇宙と一体化するかのような作品です。
現代日本の絵画 vol.3
日本を代表する日本画家・洋画家の新作を中心に多彩な表現を展望する、最新の現代絵画の作品集です。見開き2ページに作品、プロフィール、コメントを掲載。Vol.1、2と同じ作家は掲載されておりません。256作家、500ページに及ぶ誌上ギャラリーをご覧下さい。

<白菜と宇宙の神秘>笠原久央画集

10年間、白菜と宇宙をテーマに描き続けた集大成として笠原さんご自身の作品集をART BOXより出版いたしました。

作品集出版にご興味のある方はコチラ


身近な白菜から宇宙の神秘を感じ、10年もの間同じテーマに取り組む笠原さんの姿勢に驚きました。今後の笠原さんのご活躍を期待しております。

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