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TOP > ギャラリー > 神谷文代 染布展 藍の動物たち > アーティストインタビュー/神谷文代
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出版相談
静岡県出身

受賞歴
1992年  国際絞り会議展入選
1993年  日本民藝館奨励賞
2001年  国画会展新人賞
日本民藝館入選5回、国画会入選14回

収 蔵
1989年  大阪民芸館作品買い上げ
1993年  豊田市民芸館作品買い上げ

個 展
1995年  サロンドフルール(東京/南青山)
1997年  ドクターミューラ−ハウス(スイス/レンツブルグ)
1999年  サロンドフルール(東京/南青山)
2000年  にっせん画廊(静岡県/静岡市)
2004年  サロンドフルール(東京/南青山)
藍染めで描く愛すべき布の上の動物
私が染色を始めたのはかなりの高年齢になってからで、友禅をはじめとする染めの優雅さや鮮やかな色彩に心惹かれたからでした。
しかし、いざ始めてみると戸惑いや驚きの連続で、楽しもうという気力は萎え、 落ち込んでしまうこともありました。ですが幸いにも、染色の初歩を教えてくださった方が絞りを中心とした作品を手掛けていたこともあり、 それまで興味のなかった「絞り」という染めに出会ったことで、沈みかけていた楽しむ気持ちが再び呼び起こされたのです。 絞りへの関心度が急速に高まり、私の知識と視野が広がっていくにつれ、私自信の絞りへの視点にも変化が生じて参りました。 そんな中、アボリジニ−の動物レントゲン画と同様に、私の心を捉えたのが、アルブレヒト・デューラーの版画「犀」です。 本物を見たことがなく描かれたものとはいえ、それは何よりも犀の本質を伝えていること。
真実ではない姿で真実を伝えるということが、私には素晴らしいことに感じられたのです。
そして染め、中でも藍染めの特性ともいえるグラデーションの豊かさが、一見素朴な点の集合体である絞りを、 実に複雑でとても美しく染め上げることからも、絞りの技法ととても良い相性だと思います。 スケッチをする時は、描くことと動物との触れ合いを楽しみ、資料で動物の生態などを調べる時は、思わぬ発見を、 常に制作の各段階を楽しんでおります。
制作過程で私が感じた何分の一かでもお伝えできて、皆様が「はーん、なるほどね」と興味を持ってくださったら嬉しく思います。

発見する楽しさを追い求めて
今後の展開は?と問われた時、一瞬答えに窮しました。
私は今までどういう意図を持って物作りをして来たのだろうか…?
考えてみると、どうもはっきりした方向性もなく、信念もなかったように思います。 ただ何か自分の胸に響けば、そして嬉しさを感じられればと、それだけを基準にしてきたように思うのです。 これからもこの思いは変わりそうありません。
しかし、何かが自分の胸に響くか、また嬉しさを感じられるかということには、変化がありそうです。 これからは、まずそれを探すことになるのでしょう。そう考えると胸がわくわくしてくるのです。 私の手の届きうる範囲で、何かを発見する喜び、楽しさ、驚き、それらを追いかけて行こう。
私の目の前にはこの上なく奇妙なものが現れるかもしれない、それとも私の理解を超えるような深遠な事柄が提示されるかもしれない、でも恐れないで行こう。 それはきっと私の何かを発見する喜び、楽しさ、驚きに繋がるものに違いがないのだから。

出品作品をピックアップ
作品一覧はこちら
ペリカン
「ペリカン」応相談
星空A
「星空A」応相談
かば親子
「かば親子」応相談

編集後記
神谷さんの飽くなき探究心と、染布に向き合う純真な心。 緻密で根気のいる手作業を通して伝\わってくる、豊かで深い藍染めの色合いと魅力溢れる動物たちの表情は、 私たち観る者の心までも温かで幸せな気持ちに染め上げてくれます。