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2006年第16回ART BOX大賞展において受賞したアーティスト4名(グランプリなし・準グランプリ4名)の展覧会を開催しております。準グランプリに輝いた日本画を中心に活動する古市正彦さんに作品や今後の展望についてお聞きしました。

プロフィール
1971年神奈川県生まれ。1997年上野の森美術館大賞展/瀧富士美術賞。2000年多摩美術大学大学院美術研究科絵画専攻日本画コース修了。福井サムホール展/福井新聞社賞。鎌倉美術展/奨励賞。東京、神奈川を中心に個展多数。
2007.1/29よりART BOX GALLERYにて個展

多くの公募展からART BOX大賞展を選んだのはなぜですか?
複数作品の審査というところが気に入りました。一枚だけでなく何枚か一緒に評価してもらえるということは、自分のいろいろな顔を一度に見てもらえ、より作品の雰囲気が伝わりやすいと思いますので。
受賞記念として個展を行う事についてはどう思われますか?
気持ちは日々変わっていきますが、個展を開くということは、良くも悪くも今の自分自身の状態や視点、感じていることなどがそのまま表現される機会だと思っています。
絵を描き始めたきっかけを教えてください。
子供の頃は雨が降って外で遊べない日などには必ず絵を描いていて、図鑑の昆虫やザリガニの模写などに熱中しました。あと、絵の好きな叔父が近くに住んでいて、よく銀座の画廊なんかにも連れていってくれたりしましたね。
影響を受けたアーティストはいますか?
高校生の時、何となく自然の流れで、初めて一人で見に行った展覧会が藤田嗣治(レオナールフジタ)でした。油彩とは思えない程、軽く洗練された作品を見て、あ、いいな、こういうものを描きたいなと、強く思いました。フジタ本人の写真もあり、印象的でしたね。作品について教えてください。
形あるものを描いていますが、自分としては”モノを借りてコトを描いている”と思っています。例えば雨を描いて雨降りのことを描いている、静物を描いて真夜中を描いている、ということです。人の数だけ物語りは存在すると思いますが、僕の絵を見てくれた人がそこから自分自身の物語りを思い出すような、心の片隅に追いやられていた遠い記憶をつつくような、そんな絵が描けたらいいなと思います。万物は常に刻々と変化しますが、そのすべてが移り変わっていくなかで、ある瞬間の気持ちをどこかに留めておきたい、何か形として残したい。存在とは失ってからこそより感じられるものなのではないか、そう思います。過去を振り返りながら一歩前へ進む、またそこで過去を振り返りながら一歩前へ進む、そういう営みの多様性とか深みを表現できたら良いと思います。技法について教えて下さい。
岩絵の具を膠で絵皿に溶いて使用するという伝統的な日本画の技法です。紙は土佐麻紙と雲肌麻紙を使用しています。最後に今後の展望をお聞かせ下さい。
筆で描くことにこだわっていきたいと思っています。また6月に、今度は”月”をテーマにした個展を予定しています。半年の間に気持ちは日々変化し、”月”のイメージからスタートしても、描いている時間の経過とともに、最後は思いもよらないものが出来上がって来るかもしれません。自分なりのクリエイティヴを追求していくのみです。そして僕の作品を見てくれる人が何らかのインスピレーションを感じることによって、コミュニケーションが生まれる、そういう感じが良いと思っています。

ART BOX大賞展について
ART BOX大賞展は、新人アーティストの登竜門として意欲的なアーティストのサポートを目的とする公募展です。
次回 は'07.6.30応募締切 第16 回 結果
※月刊ギャラリーに紹介されました。

一枚一枚の絵がそこはかとなく何かを物語っているようで、不思議な雰囲気に誘われ思わず見入ってしまう、そんな古市さんの日本画作品30点を展示・販売致します。作品一覧
水無月 \105,000
6月の水たまり。こんな綺麗な水たまりが現実にあったら何時間でも眺めていたいと思わせる青の美しさ。

月夜 Cafe  \84,000
カップは知人である陶芸家の作品。夜、カフェで。暖かいコーヒーの湯気を見つめていて思い浮かんだ一枚。

サヨナラ \52,500
「この手付きをどう思うかで、どんな別れを経験したかが分かるでしょう。」とのこと。名残惜しいのか、それともきっぱりサヨウナラ、なのか。

まず日本画ならではの色合や質感がこんなにも美しいものなのかと驚きました。次に、一枚一枚の絵に、ある種の奥行きというか、時間と空間、人間の営みのようなものを感じました。小説の挿絵のようなと言っては語弊があるかもしれませんが、まさに作家の狙いそのまま、絵が私たちに様々な人生のシーンを思い起こさせたり、また新たなストーリーを物語っていて、ギャラリーに、不思議で魅力的な空間が拡がっているようでした。古市さんの今後のさらなる活躍を期待しています。

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