イラストレーター・造形作家 藤掛正邦さん
1956年 東京都生まれ。1982年 東京芸術大学大学院デザイン科修了。1983年 日本グラフィック展/企業賞。1990年 第1回ユーモア彫刻展/グランプリ。1992年 宮城米ひとめぼれパッケージ/印刷会長賞。2001年 新国立中劇場オペレッタ舞台美術制作。2002年 文化庁メディア芸術祭デジタル審査会推薦。
METAL OBJETS [立体作品集] ローリング・トウェンティとよばれる1920〜30年代のアールデコ様式で埋め尽くされた、ニューヨーク・マンハッタンのテイストをベースに制作した、藤掛邦国初期のメタルオブジェ。近未来的ながら空想的懐かしさを感じる1冊。 ※全国書店・Amazon.com等で発売中
PARADISE [イラスト作品集] コミュニケーションビジネスにおける視覚言語としてのイラストレーションを模索してきた藤掛正邦の作品集。カラフルで楽しく生命力のある個性的なスタイルがあふれている。 ※全国書店・Amazon.com等で発売中
編集部に寄せられた感想【METAL OBJETS】偶然書店で見つけたのですが、懐かしい雰囲気がとても素敵で思わず買ってしまいました。(福島県/会社員) 【PARADISE】フリーでデザイン業を営んでいます。この本のようにシンプルに作品と向き合える画集は、プレゼンの資料にもなりますし、アイデア出しのベースとしても大いに参考になります。(大阪府/デザイナー)
作品を本にまとめようと思ったきっかけを教えてください ●PARADISE: アートボックスギャラリーから展覧会の依頼をいただいた時に、作品集も同時出版することを提案しました。電通独立後の1991年から1996年まで5年間の作品を集め展示と作品集同じ作品を使用しました。出版や広告で使用され生活者に見ていただく時は文字が構成されるが文字のない状態のイラストレーションをまとめました。 ●METAL OBJETS:イラスト集が評判だったので、平面スタイルが隆起し立体造形作品になった初期の作品をまとめたくなったからです。 本の反響はいかがでしたか? ●PARADISE:「色彩が美しい、元気がでる、楽しい。」「作品集があることでプレゼンに通りやすい」とデザイナーさんから言われました。 ●METAL OBJETS:造形作家としてのブランドイメージが向上しました。 それぞれのコンセプトについてお聞かせ下さい。 ●PARADISE:「編集」することにより、自分の仕事や軌跡を検証したかった。 ●METAL OBJETS:「旅」をテーマに構成しました。藤掛ワールドのファンタジーをお楽しみ下さい。出版を考えている人へアドバイスなどありましたらお願いします。60点近い作品が必要です。120点から厳選して60点を選ぶぐらいの気持ちでないと商品にならないと思います。5年から10年間ぐらい蓄積した内容の作品集がお薦めです。
最近の作品 ART BOX FILE vol.5/NEW ILLSUTARTORSへ掲載された作品。これまでのイラストレーションと異なり、面の構成と若干シックな彩色が印象的。今後の展開にぜひ注目してゆきたい。
環境保護や自然について。 地球は経済や情報でまわっています。その状況で、人間と都市と自然が共栄共存できる生活を提案したい。 ※藤掛正邦さんは、環境保護・自然・ロハスなどをテーマに取扱った作品を積極的に発表。各地で高く評価されています。教育者の立場として。 「エデュケーション」の語源は「引き出す」ことです。教えるのではなく課題作品を通して生徒作品の成長を観察し、刺激を与え、時間をかけ芽が出るのを待つだけです。芽がでたら素早く取り出しほめることです。また、立体造形の講議はa:B CLUBではおこなっていませんが、多摩美術大学グラフィックデザイン科のイラストレーション科目で教えています。素材と出合う「ロボット」制作です。 今後のご予定や展望を教えてください。 「PARADISE」以前の1983年から1990年の初期イラストレーションを編集出版することを思いつきました。線描を主にした作品群でビルディングを擬人化したイラストレーションを線描を主にして描いていました。今の空気にあってると思いますお楽しみに。また、メタルオブジェの続編でワイヤアート編を出版したいと思っています。
まさにイラストレーション界の第一線で活躍中の藤掛さん、アーティストとしてご多忙なのはもちろんの事、多摩美術大学をはじめ、ART BOX 主宰のアートスクール a:B CLUBなど「教育の場」で後進の育成へも積極的に取り組まれています。華々しい経歴の数々をお持ちの藤掛さんはとても穏やかな人柄の方です。生徒達の若い感性に刺激を受けつつ、彼らのキラリと光る原石を上手く引きだしてゆく…。「教師と生徒」という垣根を越え相互に良い影響を与えあう、そんな授業風景が目に浮かぶようです。今後も2冊の作品集出版を計画中との事。これから「藤掛ワールド」はどんな発展を遂げてゆくのでしょうか?これからの活躍、大いに期待しております。
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